News お知らせ

2025.03.24

Aichi Startup Battle 2024 ビジネスプランコンテスト イベントレポート

愛知県が推進するスタートアップ支援の一環として「AICHI STARTUP BATTLE 2024 ビジネスプランコンテスト」を2025年2月18日(火)に開催しました。本年2024年度から更なるスタートアップの育成・誘引を促進するための新たな取組として、県内での創業や起業を志す方、あるいは創業間もないスタートアップを対象に、起業の知見・資金両面をサポートし事業成長を促進するためプログラムを実施しました。書類選考やアクセラレーションプログラム、中間審査を経て最終的に選ばれたファイナリスト10名が当日ステージに登壇し、愛知県の社会的課題解決や市場創造に向けたアイデアを発表しました。
会場となった「STATION Ai」は、日本最大級のオープンイノベーション拠点です。県外・海外の企業も含め、多くのスタートアップが集結し、投資家や支援機関、大手企業とのマッチングやネットワーキングの場として機能しています。コンテスト当日は、多くの関係者が一堂に会し、最先端のビジネスアイデアに耳を傾ける熱気あふれるイベントとなりました。

ファイナリスト一覧

  1. 株式会社Curelity(キュアリティ)
      登壇者:告野 英利(つげの ひでとし)

  2. 株式会社mBiRS(エムバース)
      登壇者:森川 友博(もりかわ ともひろ)

  3. 青木 俊輔(あおき しゅんすけ)

  4. 株式会社yolidoli(ヨリドリ)
      登壇者:船曳 陸斗(ふなびき りくと)
     
  5. STUTS合同会社(スタッツ)
      登壇者:菜切 翔(なきり かける)

  6. 西村 風輝(にしむら ふうき)

  7. 株式会社アイカタマッチング
      登壇者:前田 雄太(まえだ ゆうた)

  8. MeeeetUp株式会社(ミートアップ)
      登壇者:髙橋 一矢(たかはし かずや)

  9. 株式会社IZANA(イザナ)
      登壇者:大前 緩奈(おおまえ かんな)

  10. 藤井 聡史(ふじい さとし)

開会挨拶・審査員紹介

冒頭、愛知県経済産業局の柴山顧問より、スタートアップバトル開催にあたっての開会挨拶が行われました。愛知県が2018年から取り組んでいる「スタートアップ・エコシステム形成」や「STATION Ai」設立の背景、そして今後の展望について紹介。スタートアップが愛知を拠点に飛躍し、グローバルなビジネス展開を目指すにあたり、県として積極的に支援を続ける姿勢を表明しました。

続いて、本コンテストを審査する有識者として審査員が紹介され、愛知県内外から精鋭の投資家・スタートアップ支援者が集結していることが強調されました。

会議室にいる人たち

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

審査員一覧

  • Givin’Back株式会社(ギビンバック)
    代表取締役CEO 木下 直美(きのした なおみ)

  • Gazelle Capital株式会社(ガゼルキャピタル)
    プリンシパル 近藤 絵水(こんどう えみ)

  • 株式会社ツクリエ
    代表取締役 鈴木 英樹(すずき ひでき)

  • STATION Ai株式会社(ステーションエーアイ)
    投資企画室担当部長 中島 順也(なかじま じゅんや)

ノートパソコンで作業をしている人たち

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

ピッチのルールや審査基準について

本イベントでは、以下の基準で審査が行われました。

  • 新規性:アイデアや技術の独創性
  • 実現性:事業プランの実行可能性
  • 課題性:社会課題やニーズとの合致度
  • 市場性:マーケット規模や成長性
  • ビジネスプランへの想い:起業家自身の情熱・コミットメント


ファイナリストの登壇順は抽選により決定。1社あたり「ピッチ6分 + 質疑応答4分」で進行し、審査員が個別に採点を行いました。最終的に集計得点の上位3社に総額600万円の賞金が授与されます。

グラフィカル ユーザー インターフェイス が含まれている画像

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

ピッチ登壇各社の発表の概要と質疑応答

株式会社Curelity 告野 英利

手でサインする男性

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

「骨粗しょう症治療で日本を変える」をテーマに、高齢化が進む日本において深刻化する“骨粗しょう症”への対策を提案。骨粗しょう症は自覚症状が少なく、気づいたときには骨折など重大なリスクを伴う病気です。適切な受診と治療で予防できるにもかかわらず、治療率が低いまま放置されている点を課題としています。

告野氏は整形外科医としての臨床経験や、自身の祖母が骨粗しょう症をきっかけに寝たきり状態となった体験を踏まえ、検診・受診・治療の流れをより効率的かつ受診者が意識しやすい形にする必要性を強調。そこで、同社のアプリを使った「簡易骨粗しょう症検診」と「遠隔診療サポート」を組み合わせるサービスを紹介しました。利用者がスマートフォンから簡易的なチェックを行い、リスクの高い人には提携クリニックでの検査や診療をスムーズにつなぐ仕組みを構築。医療機関向けには「骨粗しょう症治療のノウハウ提供」と「検査導入支援」を含めた総合的サポートを実施しており、早期発見・早期治療を促すことで、骨折リスクを減らし医療費削減にも貢献しうるビジネスモデルです。

また将来的には自治体との連携を強化し、より多くの高齢者が骨粗しょう症検診を受けられる体制を整えたいと展望を語り、健康寿命の延伸や介護費の抑制など、社会的メリットが大きい点を強く訴えました。

質疑応答

  • 審査員からは「病院側にとっての収益メリット」を確認する質問があり、告野氏は「診療報酬の増加や、検査設備への患者誘導が可能になることでクリニックにとっても十分なインセンティブがある」と回答しました。
  • また「自治体検診との連携」に関しては、ハイリスクの人を絞って受診を促す仕組みを普及させることにより、効率的かつ大きな予防効果が期待できる点が高評価でした。


株式会社mBiRS 森川 友博

男, フロント, 立つ, 持つ が含まれている画像

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

「地下インフラ管理に新たなイノベーションを起こすマルチ検索プラットフォーム“ジオマッパー”」をテーマに、上下水道やガス・電気・通信などのライフラインを管理する自治体・事業者の大きな課題を解決するためのサービスを紹介しました。

森川氏は行政職員として下水道事業に長年携わり、縦割りの仕組みや情報共有不足から、老朽化したインフラの管理が遅れ、時には大規模な事故につながる危険性を目の当たりにしてきたと話します。そこで開発したのが「ジオマッパー」。地中に埋設されているライフラインの図面データをまとめて管理し、現場でタブレットやスマートフォンを使って簡単に閲覧・検索・共有できる機能を提供します。今まで紙や役所のパソコンだけでしか確認できなかった情報を持ち出せるようになり、現場作業の効率を大幅に改善。異なるインフラ事業者同士の横断的なデータ連携が進むことで、掘削工事や老朽化対応などを安全・スピーディに行えるようになります。

ビジネスモデルとしては、インフラ管理者が無料で利用できる一方で、民間のハウスメーカーや建設会社などの有料ユーザーから収益を得る形を想定。将来的には地域インフラの「SNS的プラットフォーム」を目指しており、膨大な施設データを活用して安全性や効率性を高めるだけでなく、インフラ管理全体のエコシステムを作り上げる構想を語りました。

質疑応答

  • 審査員からは「自治体がデータを提供してくれるインセンティブ」や「課題解決の具体的メリット」を問う声があり、森川氏は「既存のアナログ事務を削減できる大きなメリットがある」と回答。
  • 「データの信頼性・最新化をどう担保するか」についても質問が出ましたが、自治体が保有する地図情報をもとに定期的にアップデートし、情報の精度を保つ仕組みを構築中とのこと。将来的にはユーザー間の協働でデータメンテナンスを行う計画を示しました。


青木 俊輔

白いシャツを着ている男性

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

在宅医療や介護の現場で多発する「煩雑な書類業務」に着目したクラウド型サービス「メディシー」を提案。日常的に介護保険や医療関連の書類を紙ベースで扱わざるを得ない医療・介護従事者の負担を減らし、本来注力すべきコア業務(患者や利用者への直接ケア)に集中できる環境を作ることが狙いです。

在宅医療・介護現場では、他職種・他機関との連携が多岐にわたり、数多くの書類のやり取りがFAXや郵送で行われています。青木氏は在宅の現場で勤務する現役看護師として、その非効率ぶりを肌で感じてきたと説明。そこで「紙が必要な相手方をすぐに変えることは難しい」という現場事情を踏まえ、送信側(ユーザー)が一括で書類をアップロードするだけでFAXや郵送が自動化される仕組みを構築し、受信側には従来どおり紙で届くようにして抵抗感をなくす設計を行っています。

また、今後は利用者や事業所ごとの書類管理をクラウドで一元化するだけでなく、AI OCRを活用したデータ入力の自動化も目指す方針。最終的には業界横断で紙と電子データが混在する現状を改善し、医療・介護従事者が安心して働きやすい環境づくりに貢献していきたいと語りました。

質疑応答

  • 審査員からは「既存の介護ソフトやシステムとの競合・差別化」についての質問があり、青木氏は「最終的にはDXだが、まず紙前提を変えにくい現場に合わせて導入ハードルを下げた点が特徴」と説明。
  • また「送信数に対する料金体系」や「営業展開の方針」について問われた際は、リファラルや展示会・イベント等での実演が効果的だとし、導入コンサルとの協業も検討していると述べました。


株式会社yolidoli 船曳 陸斗

会議室に集まる人々

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

「患者視点の医療ツーリズムプラットフォーム“メディファ”」を提案。船曳氏が大学院で医学工学を研究する中で、日本の医療機関の高度なレベルと、海外患者受け入れの遅れというギャップに注目し、潜在的に巨大な医療ツーリズム市場(年間成長率29%超)において、日本がリーダーシップを取る必要があると訴えました。

医療ツーリズムの現状は、複数の仲介業者が入ることで患者が支払うコストが高騰したり、予約に3週間以上かかるなどの非効率が問題となっています。そこで同社は、SNSに慣れた海外の患者が利用しやすいチャットボット×AIを導入し、10分程度で予約と決済が完結する仕組みを構築。医療機関の情報発信も多言語対応で行い、通訳サービスやアフターケアまでワンストップで提供することで、仲介手数料を大幅に下げ、患者の負担を軽減します。

一方、医療機関側にとっては業務負担をほぼゼロに抑えつつ、自由診療のため収益性が高い海外患者を獲得できる点がメリット。すでに一宮市の大雄会第一病院などで連携事例を積み始めており、SNS投稿だけでも日々問い合わせが入るなど好感触を得ているとのこと。将来的にはプラットフォーム運営だけでなく、自前のクリニック運営との垂直統合によってサービスをさらに強化し、9兆円超の市場を狙っていくと宣言しました。

質疑応答

  • 「医療機関への導入インセンティブ」「医療通訳・予約手続きの離脱率低減策」について質問があり、船曳氏は「事前決済や分割払いなど、海外患者の不安を減らす工夫をしている」と回答。
  • また「旅行会社・エージェントとの連携」については大きな顧客獲得チャネルと捉えており、提携を拡大する方針を示しました。


STUTS合同会社 菜切 翔

屋内, 男, 立つ, テーブル が含まれている画像

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

「仮眠を文化に—仮眠室シェアリングサービス」をテーマに、睡眠不足が慢性化する日本の社会人に向けて、日中の“仮眠”習慣を根付かせるビジネスモデルを提案。菜切氏自身、睡眠障害を抱え、生産性低下や健康問題に悩んだ経験からこの事業に着想を得たそうです。

企業が健康経営やウェルビーイングの重要性を認識している中、オフィス内に仮眠スペースを設置する先進企業も出ていますが、多くの中小企業ではスペース不足や管理コストの面から導入が難しいのが現状。そこで“仮眠をしたい企業”と“日中に空きスペースがある店舗”をマッチングし、従業員が月額定額で利用できる仮眠スポットを確保するシェアリングサービスを立ち上げました。

利用者はスマホで近くの仮眠可能店舗を検索し、簡単に予約・入室ができる設計。店舗側には空き時間帯の追加収益が入り、企業側には従業員の生産性向上と健康管理上のメリットが期待できます。また、利用データは企業にとっての生産性改善指標にもなるため、導入企業の満足度が高いと説明。将来的には女性の生理痛対策や高齢者の疲労回復などにも展開し、多様な人々の働き方サポートを目指すと語りました。

質疑応答

  • 審査員からは「ターゲット企業の具体像」や「企業・ユーザーがこのサービスに感じる最大の価値」について質問があり、菜切氏は「クリエイティブ系企業など生産性重視の現場が導入しやすい」と回答。
  • また「仮眠文化が根付くための社内周知やハードル克服」も課題と認めつつ、仮眠によるパフォーマンス向上のデータを提示することで導入を促進したいと述べました。


西村 風輝

※西村氏はオンラインで登壇

テレビを見る人々

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

「海の厄介者(ガンガゼ)を資源化する“ガンガゼ錬金術”」をキーワードに、海の厄介者と呼ばれる“ガンガゼ(ウニの一種)”を食用ウニとして活用し、漁業被害や海の砂漠化を防ぐ事業モデルを提案。

ガンガゼは海藻を食い尽くし、他の生物が育たない「磯焼け」を起こす元凶として地域漁業に大きな被害を与えています。しかし一定期間エサを与えることで、ウニと同等に旨み成分を蓄えるという研究結果をもとに、安価なガンガゼを回収・養殖し、パスタソースなど加工品や生食用ウニの代替商品に変える計画です。漁業者や海岸清掃NPOが駆除するガンガゼを買い取る形で仕入れつつ、自社の養殖技術で商品化し、低コストで市場に供給できると説明しました。

磯焼けは全国的に拡大しており、水産資源の枯渇にも直結する重大課題。ガンガゼを漁師やNPOと連携して仕入れ、養殖ノウハウを確立し、食品メーカーや回転寿司チェーンなどへの販路を拡大していくことで「海を守りつつ人々に安く美味しいウニを届ける」ことを目指します。

質疑応答

  • 「養殖コストはどの程度か」「採取効率をどう上げるか」などが問われました。西村氏は「実証事例がまだ少ないが、既存のウニ養殖と比べると安価なエサを使い繁殖に成功する可能性が高い」と回答。
  • 技術リスクや人手不足への対応をどのようにクリアするかも課題となるが、NPO団体の協力を得て大量のガンガゼを確保できる見込みがあると述べました。


株式会社アイカタマッチング 前田 雄太

屋内, テーブル, 小さい, 座る が含まれている画像

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

モノづくりに欠かせない「金型」に特化した製造業のマッチングサイト”相型MATCHING(アイカタマッチング)”を開発。自動車など大手製造メーカーから仕事を受注する金型メーカーは、短納期や突然のキャンセルに振り回され、不安定な仕事量に悩んでいます。小規模事業者が多いため、前田氏は金型メーカー同士の連携を促すオンラインプラットフォームが必要だと考えました。

相型MATCHINGでは、繁忙期と閑散期の金型メーカーが協業できる仕組みを提供し、仕事量の平準化を実現。さらに、金型を必要とする企業から金型メーカーへの発注や、生産現場で求められる材料・設備・DX関連企業ともマッチングができ、生産効率の向上や業界ネットワークの活性化を目指すと述べました。

金型特化の検索機能、一括見積機能、チャット機能、取引後の企業評価機能を備え、すでに大手製造メーカーも会員登録済み。海外展開も視野に事業拡大を狙うと語りました。

質疑応答

  • 審査員からは「もともとの不安定さを本当に解決できるか」「どう差別化するか」などが問われ、前田氏は「金型の製作過程には、設計、製作、組付があり、忙しい時に設計の一部だけを頼む使い方もできる仕組みになっている」と回答。
  • また新しい金型専門プラットフォームとして、検索条件を細分化し、複数社一括見積もりなど独自の利便性を提供する点を強調しました。


MeeeetUp株式会社 髙橋 一矢

椅子に座っている男性

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

「イベント体験を次世代へ一気にアップグレードするプラットフォーム」として、受付混雑や名刺交換の非効率など、オフラインイベントの課題を解消する仕組みを提案。事業共創マッチングや交流会など、ネットワーキングが重視されるイベントにおいては“誰と出会うか”が非常に重要な要素であると髙橋氏は語ります。

従来のイベント管理サービスは、申し込みや決済まではオンラインで対応しているものの、当日の受付業務や会場内での参加者同士のマッチングにはあまり踏み込んでいないケースが多いことが課題。同社のプラットフォームでは「顔認証受付」によるスピードチェックインや、名刺交換から参加者プロフィール検索・閲覧・いいね機能で会場内の参加者を容易に探せる仕組みを提供。イベント終了後も24時間以内であれば相手のプロフィールを確認できるため、事後連絡の漏れを防止し、実際の商談や協業に発展しやすいとアピールしました。

ビジネスモデルとしては、イベント募集機能に加え、顔認証受付やプロフィールシェア機能を基礎機能として無料で提供し、「次世代イベント体験の標準化」を実現する。有料イベントの事前決済手数料や追加機能のプレミアム料金を主な収益源とし、当面はスタートアップイベントや経営者交流会など、ハイレイヤーなマッチングを求める領域に集中。将来的には就活・婚活など、多義ジャンルにわたるイベント利用も目指します。

質疑応答

  • 「実際に顔写真登録を嫌うユーザーへの抵抗感をどう解消するか」などが問われ、髙橋氏は「各々が情報の公開/非公開範囲を調整できる仕組みを提供している」と回答。「会場内に限ったリアルだからこそできる濃いネットワークづくり」が最大の差別化要素と強調。
  • 情報登録の最小化、アプリダウンロード不要、「顔パス」でサービス利用できる仕組みで導線をシンプルにし、利用継続を促す設計が評価されました。


株式会社IZANA 大前 緩奈

男, フロント, 立つ, テーブル が含まれている画像

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

「どこでも使える超高感度磁気センサー“海磁気センサー”」をコア技術とし、洋上風力発電における海底ケーブルの点検を大幅に効率化するソリューションを提案。洋上風力は再生可能エネルギーの中でも成長市場ですが、海底ケーブルの事故リスクと保険料が非常に高く、運用コストが膨らむ問題があります。

大前氏によると、海底ケーブル事故防止のためには定期点検が欠かせませんが、従来の点検はダイバーや船舶を要し、多額の時間とコストを要していました。そこで、同社が独自発明した「小型・低消費電力・高感度・低コスト」の磁気センサーを水中ドローンに搭載し、自動化した海底点検を実現。埋設ケーブルの深度や状態を正確に把握でき、事故リスクが低減することから、保険料の大幅削減につながるといいます。

すでに研究開発には国の支援事業も採択されるなど注目度が高く、今後は複数の風力発電事業者や保険会社と協議を進めながら実証を重ねる計画です。日本近海だけでも巨大市場が見込まれ、最終的には海洋資源開発全般へ展開したいとの展望を語りました。

質疑応答

  • 審査員からは「従来の点検法を完全に代替できるか」という点を問われ、「最終的には100%代替可能だが、エビデンス構築が不可欠。まずは50%シェアを狙う」と回答。
  • 技術の強みとしては、既存の半導体製造プロセスに依存しない新原理の発明であることが高く評価されました。


藤井 聡史

テレビの画面を見ている男性

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

発表概要

「現場巡回DXで持続的なビジネスを加速する“デジパト”」を発表。製造業の「現場巡回」業務は、現場の改善点を見つけるうえで不可欠ですが、紙やExcel、PowerPointなどを使った手作業が繰り返される非効率が課題になっています。

デジパトでは、工場のレイアウト図をベースに、指摘や報告をすべてスマホから入力し、その場で写真添付・優先度設定まで行えるように設計。事務局が紙を回収してExcelに転記…といった作業をなくし、リアルタイムで更新・共有が可能になります。このマップ上で現場の状態を管理するUIにより、現場担当者も直感的に把握できるため、報告・承認・改善がスピーディに回る点が大きな特徴です。

既に自動車部品メーカーや食品・医療品メーカーで導入が始まり、巡回にかかる資料作成時間の80%削減や、年250万円以上のコストダウンが期待できるとの試算を提示。今後は蓄積されたデータをAIが学習し、“社員の成長を支援するOJT(On the Job Training)型AI”を構築することで、人材不足や熟練技術の継承問題も解決するビジョンを語りました。

質疑応答

  • 審査員からは「競合サービスへの対抗策」について問いがあり、「工場レイアウト図と連動するUIが最大の差別化ポイントで、紙での習慣が強い現場でもすぐ導入しやすい」と回答。
  • また、AIを取り入れる方針について「フルオートメーションではなく、社員の成長を促しながら最適解に到達する“GEMBA(現場)AI”というコンセプトを目指している」と強調しました。


結果発表

4名の審査員による採点の結果、以下の上位3社が選ばれました。

第3位:株式会社IZANA 大前 緩奈

ポーズをとる男性グループ

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

受賞テーマ
「海底ケーブル点検を自動化する高感度磁気センサーにより、洋上風力発電の保険料削減に貢献」

審査員からのコメント
「水中ドローンと時期センサーを組み合わせたソリューションが独創的で、洋上風力発電という成長市場に対して明確な価値を提供している点を高く評価しました。技術的優位性に加え、保険料削減につながる実利が明確であり、今後の実証や提携拡大に期待が持てます。」

受賞企業のコメント
「このたびは第3位という素晴らしい評価をいただき、大変うれしく思います。研究開発の成果が社会実装の段階に入りつつあることを改めて実感しました。今後はさらなる技術検証を重ねながら、水中ドローンによる海底ケーブル点検の新スタンダードを築いていきたいです。」

第2位:株式会社yolidoli 船曳 陸斗

ポーズをとる男性グループ

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

受賞テーマ
「海外患者と日本の医療機関をスピーディにつなぐ医療ツーリズムプラットフォーム“メリファ”」

審査員からのコメント
「医療ツーリズム市場の拡大トレンドを的確に捉え、日本の高度な医療と海外患者とのギャップを埋めるプラットフォーム構想は非常に魅力的です。既に病院との連携実績がある点や、仲介手数料削減モデルの優位性が明快でした。さらなる拡張とプロモーションに期待しています。」

受賞企業のコメント
「このような貴重な賞をいただき、大変感謝しています。医療ツーリズムという成長市場で手応えを感じていたものの、専門家の皆様から評価いただき心強い限りです。今後はSNSや旅行会社とも連携を強化し、海外からの患者さんに質の高い日本の医療を届けたいと思います。」

第1位(優勝):藤井 聡史

ポーズをとる男性グループ

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

受賞テーマ
「工場の現場巡回をDX化し、データとAIで継続的な改善を促す“デジパト”」

審査員からのコメント
「工場現場の生産性や安全性を高める要となる“現場巡回”にフォーカスし、紙とExcelで非効率だった業務を一気にDX化する点が素晴らしいです。レイアウト図との連動で使いやすさを追求している点や、将来的なAI活用まで見据えたビジョンが高く評価されました。」

受賞企業のコメント
「まさか優勝をいただけるとは思っていなかったので、本当に驚きと感謝でいっぱいです。愛知のものづくり企業で培った経験を生かし、現場に深く根差したDXを推進していきます。今回のコンテストで得た学びとネットワークを糧に、国内外への展開を加速したいです。」

審査員からの総評

各審査員は総評として「全体のレベルが非常に高く、審査に悩んだ」「どのビジネスプランも課題の着眼点や解決策の独自性に優れ、今後が楽しみ」という評価を示しました。また、「プレゼンでの熱意と課題理解の深さが伝わってきた」「仮説検証をスピード感をもって進め、適切にピボットする覚悟も大事」といったアドバイスもありました。今回受賞を逃したファイナリストも十分に可能性があるとし、今後の成長を期待する声が多く上がりました。

屋内, 人, 男, 女性 が含まれている画像

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

まとめ

イベント全体を通して、愛知県が掲げるスタートアップ支援戦略の一端を体感できる内容となりました。特に、医療・介護・製造業・インフラといった多岐にわたる分野でのDXやオープンイノベーションの動きが見られた点が印象的です。大手企業のみならず、中小企業が数多く集積する愛知だからこそ、課題が多い一方でチャンスも大きく、新たなサービスが社会実装されていく可能性を強く感じる場となりました。

また、ファイナリスト同士の交流も活発で、「他社のビジネスと連携してより大きな価値を生み出そう」という機運が高まっていたのも特色のひとつです。審査員からは「今後も支援施策や拠点を活用し、仲間とともに成長してほしい」とエールが送られ、来場者・関係者からもさらなる連携・共創が期待されます。

ポーズをとる男性たち

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

交流会の様子

結果発表後は会場のレイアウトが切り替えられ、ネットワーキングを中心とした交流会が行われました。ピッチの感想や具体的な連携提案など、各テーブルで盛んに名刺交換やディスカッションが行われるなど、大変にぎわいを見せる場となりました。特に、今回受賞したスタートアップには投資家や支援機関が積極的にアプローチする光景も見られ、ビジネスマッチングの可能性を感じさせる一幕が多数ありました。

ファイナリスト同士も改めてアイデアを交換し合い、今後のブラッシュアップや共同プロジェクト立ち上げを検討するなど、本コンテストをきっかけに新たなコミュニティが生まれている様子でした。参加者からは「地方発のスタートアップでもグローバルを視野に挑戦できる」といった声も多く、愛知のスタートアップシーンの盛り上がりを実感する交流会となりました。

今後も愛知県主催のスタートアップ関連イベントは継続予定であり、アクセラレーションプログラムや資金調達支援など、多彩なサポート体制を活かしてエコシステムをさらに拡充していく予定です。

スーツを着た男性たち

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。スーツを着た男性たち

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。
スーツを着た男性たち

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。駅のホームに立つスーツを着た男性

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。
スーツを着た男性たち

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。
スーツを着た男性たち

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。スーツ着ている男性たち

AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

お知らせ一覧に戻る